年末調整とは
年末調整は、会社が従業員に代わって所得税を精算する手続きです。毎月の給与から仮計算で差し引かれていた源泉所得税と、正確な所得税を比較して過不足を調整します。
多くの場合、年末調整後に「還付」(税金が戻る)が発生します。
源泉徴収された所得税 > 正確な所得税 → 還付(12月の給与に上乗せ)
源泉徴収された所得税 < 正確な所得税 → 追加徴収(12月の給与から差引き)
年末調整で提出する書類
| 書類名 | 内容 | 提出が必要な人 |
|---|---|---|
| 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 | 扶養家族・障害者控除など | 全員(毎年提出) |
| 給与所得者の基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書 | 配偶者控除・基礎控除など | 対象者 |
| 給与所得者の保険料控除申告書 | 生命保険料・地震保険料控除 | 対象者 |
| 住宅借入金等特別控除申告書 | 住宅ローン控除(2年目以降) | 住宅ローン控除を受ける人 |
各書類の記入ポイント
① 扶養控除等申告書(全員必須)
控除対象扶養親族の情報を記入します。
- 16歳以上の扶養家族(子・親など)
- 合計所得金額が48万円以下(給与収入換算で103万円以下)
- 同居または生計が同一であること
16〜18歳:一般扶養控除(38万円)
19〜22歳:特定扶養控除(63万円) — 大学生の子がいる場合は特に重要
70歳以上:老人扶養控除(48〜58万円)
② 配偶者控除申告書
配偶者の収入が150万円以下であれば配偶者控除(最大38万円)が受けられます。150万円超〜201万6千円未満では段階的に減少する配偶者特別控除が適用されます。
申告者本人の所得が1,000万円(給与収入約1,195万円)を超える場合は配偶者控除・配偶者特別控除は受けられません。
③ 保険料控除申告書
秋頃に届く控除証明書をもとに記入します。
- 一般の生命保険料:死亡保険・学資保険など
- 介護医療保険料:医療保険・がん保険など
- 個人年金保険料:税制適格特約付きの個人年金
- 地震保険料:火災保険に附帯する地震保険
各区分の最大控除額(所得税)は4万円、合計最大12万円です。
④ 住宅ローン控除申告書(2年目以降)
初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は税務署から届く「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」と、金融機関から届く「残高証明書」を添付して年末調整で申告できます。
スケジュール
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 10〜11月 | 会社から書類が配布される、保険証明書が届く |
| 11月下旬〜12月上旬 | 書類を記入して会社へ提出 |
| 12月の給与 | 年末調整による還付・追加徴収 |
| 1月末 | 源泉徴収票の発行(法定期限) |
年末調整で対応できない控除
以下は年末調整では申告できず、確定申告が必要です。
- 医療費控除(年間10万円超 or 所得の5%超)
- ふるさと納税控除(ワンストップ特例なしの場合)
- 住宅ローン控除(初年度)
- 雑損控除(盗難・災害など)
- 副業・不動産収入などの所得
「年末調整で取り戻せなかった税金」は翌年1月以降、確定申告で申告して還付を受けられます(5年以内)。