所得税とは
所得税は、1月1日から12月31日までの1年間に得たすべての所得に対してかかる国税です。 会社員の場合は毎月の給与から天引き(源泉徴収)されており、年末に年末調整で精算されます。
所得の10種類
所得税の計算では、収入の種類によって10種類の「所得」に分類されます。
| 所得の種類 | 主な内容 |
|---|---|
| 給与所得 | 会社員の給与・賞与 |
| 事業所得 | 個人事業の収入 |
| 雑所得 | 副業・年金・FXなど |
| 不動産所得 | 賃貸収入 |
| 利子所得 | 預金の利息 |
| 配当所得 | 株の配当金 |
| 譲渡所得 | 不動産・株の売却益 |
| 退職所得 | 退職金 |
| 一時所得 | 保険の満期金など |
| 山林所得 | 山林の売却益 |
会社員のほとんどは給与所得が中心です。
所得税の計算ステップ
所得税は次の4ステップで計算します。
ステップ1: 収入から「給与所得控除」を差し引く
給与所得者には、経費の代わりとして給与所得控除が自動的に差し引かれます。
| 収入金額 | 控除額 |
|---|---|
| 162.5万円以下 | 55万円 |
| 162.5万円超〜180万円以下 | 収入×40%-10万円 |
| 180万円超〜360万円以下 | 収入×30%+8万円 |
| 360万円超〜660万円以下 | 収入×20%+44万円 |
| 660万円超〜850万円以下 | 収入×10%+110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
例) 年収500万円の場合 給与所得控除 = 500万円 × 20% + 44万円 = 144万円 給与所得 = 500万円 - 144万円 = 356万円
ステップ2: 所得控除を差し引いて「課税所得」を求める
給与所得からさらに所得控除(基礎控除・社会保険料控除・扶養控除など)を差し引いた金額が課税所得になります。
主な所得控除:
- 基礎控除: 48万円(全員適用)
- 社会保険料控除: 支払った社会保険料の全額
- 配偶者控除: 最大38万円
- 扶養控除: 1人あたり38〜63万円
ステップ3: 税率をかけて「所得税額」を計算する
課税所得に超過累進税率を適用します。収入が高いほど、高い税率がかかります。
| 課税所得 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 9万7,500円 |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 42万7,500円 |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 63万6,000円 |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 153万6,000円 |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 279万6,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 479万6,000円 |
速算表の使い方:
所得税額 = 課税所得 × 税率 - 控除額
例) 課税所得200万円の場合 所得税額 = 200万円 × 10% - 9万7,500円 = 10万2,500円
ステップ4: 復興特別所得税を加算する
2013〜2037年の間は、所得税額に2.1% を乗じた復興特別所得税が加算されます。
最終税額 = 所得税額 × 1.021
実効税率と限界税率の違い
よく混同されますが、2つの税率は異なります。
- 限界税率(Marginal Tax Rate): 課税所得のうち最も高い部分にかかる税率
- 実効税率(Effective Tax Rate): 実際に支払った税額 ÷ 総所得で求める「実質的な税率」
課税所得500万円の人でも、全額に20%かかるわけではありません。 低い税率の部分から段階的に適用されるため、実効税率は限界税率よりも低くなります。
まとめ
- 所得税は「収入 → 給与所得控除 → 所得控除 → 課税所得 → 税率 × 課税所得」の順で計算する
- 超過累進税率により、収入が上がるほど高い税率がかかる(ただし全額ではなく超過分のみ)
- 各種控除を活用することで課税所得を下げ、節税できる
次は住民税の計算方法も合わせて確認してみましょう。